MST Myostructural Therapy

首を動かすとめまい・ふらつきを感じるときに考えたいこと

首を動かしたときに感じるめまいやふらつきについて、首まわりの筋や身体の動きとの関係をMSTの視点から考えます。めまいにはさまざまな原因があるため、首だけが原因と決めつけず、身体の状態をどう見ていくかをわかりやすく解説します。

首を動かしたときのめまい・ふらつき

振り向いたときや、上を向いたとき、起き上がったときなどに、ふわっとする感じやめまいを感じることがあります。めまいに伴って、吐き気を感じることもあります。

めまいには、耳や神経、循環などさまざまな要因が関係するため、その要因を一つに絞って考えることはできません。一方で、その一つとして、首まわりの筋肉の緊張や動きの状態と、めまいやふらつきが関連していると考えられる場合もあります。

頸性めまいという考え方

首の状態と関連して起こると考えられるめまいは、「頸性めまい」と呼ばれることがあります。

首を動かしたときに症状が現れたり、首の痛みやこり、動かしにくさなどを伴ったりすることがあります。

ただし、めまいにはさまざまな要因があるため、こうした症状があるからといって、すぐに頸性めまいと判断できるものではありません。

大切なのは、「めまいだから耳」「首がこっているから首」と一つの場所だけで考えるのではなく、どのような動きで症状が現れるのか、首や身体の状態とどのような関係があるのかを確認していくことです。

なぜ首の状態とめまいが関係するのでしょうか

私たちは、目から入る情報や内耳から得られる平衡感覚だけでなく、筋肉や関節から伝わる身体の位置や動きの情報も使いながら、姿勢やバランスを保っています。

首もその一つです。

首まわりの筋肉や関節からは、頭がどの方向を向いているのか、どの程度動いているのかといった情報が伝えられています。

そのため、首まわりの筋肉が強く緊張していたり、首の動きに偏りが生じていたりすると、首から伝わる情報と、目や内耳から入る情報との間にずれが生じ、めまいやふらつきと関連する可能性があると考えられています。

こうした首からの感覚情報とめまいとの関連は、頸性めまいを考えるうえで重要な視点の一つです。

首は慎重に状態をみる必要がある部位です

頸部には多くの筋肉が重なり合い、その周囲には神経や血管など、身体にとって重要な組織が狭い範囲に集まっています。

そのため首まわりは、筋肉の緊張だけを見るのではなく、どの筋肉が緊張しているのか、首を動かしたときにどのような変化があるのか、周囲の組織とどのような関係にあるのかを確認しながら慎重にみていく必要があります。

MSTでは「滑走」を人体構造全体の基本原理として捉えます

筋肉は、それぞれが単独で動いているわけではありません。一般に「滑走」という言葉は、隣り合う筋肉や筋膜、腱などの組織が、身体の動きに伴って互いに位置を変える動きを表す際に用いられます。

MSTでは、この「滑走」をさらに広い概念として捉えています。

筋肉を構成する筋線維や筋束、筋・筋膜だけでなく、神経、血管、骨、関節、臓器に至るまで、人体を構成するすべての組織や構造は、それぞれが周囲との位置関係を変えながら動き、機能しています。

呼吸をすれば胸郭や横隔膜が動き、それに伴って臓器も位置を変えます。関節を動かせば骨同士の位置関係が変化し、その周囲では筋肉、筋膜、神経、血管などもそれぞれに動きます。さらに筋肉の内部でも、筋線維や筋束は互いの位置関係を変えながら働いています。

MSTでは、このような人体を構成するすべての組織・構造の相対的な動きを広く「滑走」と捉え、人体の動きや機能は無数の滑走によって成り立っていると考えています。

MSTでは、この滑走が十分に行われにくくなった状態を「滑走障害」と捉えています。

MSTでは、筋肉の緊張をそれだけで独立した現象として捉えるのではなく、筋線維や筋束を含めた組織間の滑走が妨げられることによって生じる状態と考えています。

そのため、緊張している筋肉に施術を行うときにも、その筋肉だけを切り離して考えるのではなく、筋線維や筋束、隣接する筋肉や筋膜、さらに神経や血管など周囲の構造との関係を含めてみていきます。

MSTでは、筋肉の緊張は、それだけで独立して起こるものではなく、筋線維や筋束、筋膜、神経、血管など、内部や周囲組織との滑走が妨げられることで生じると考えています。

そのため、緊張している筋肉そのものに施術を行いながら、その内部や周囲でどのような滑走障害が起きているのかを捉え、滑走を整えていくことを重視します。

こんなときは首との関連も考えられます

首を動かしたときにめまいやふらつきが出る、首の痛みやこりを伴う、長時間同じ姿勢を続けたあとに症状が強くなるなど、首の状態と症状の変化に一定の関係がみられる場合があります。

ただし、これらがあるからといって、首が原因だと判断できるわけではありません。めまいにはさまざまな原因があるため、症状の出方や経過を確認しながら考えていく必要があります。

めまいがあるときに大切なこと

めまいは、首まわりの状態だけでなく、耳や神経、循環器系などさまざまな要因によって起こることがあります。

そのため、突然強いめまいが起こった場合や、これまでにない強い症状、神経症状などを伴う場合には、施術よりも医療機関での確認を優先する必要があります。

MSTでも、すべてのめまいを首の問題として扱うことはありません。身体の状態や症状の経過を確認したうえで、首まわりの状態との関連が考えられる場合に、その構造や動きをみていきます。

首まわりの状態が気になる方へ

めまいやふらつきが続いていると、日常生活の中で振り向くことや立ち上がることさえ不安になることがあります。

首の痛みや強いこりを伴っている、首を動かしたときに症状の変化を感じるなど、首まわりの状態との関連が気になる場合は、身体の状態を確認しながら施術を検討することができます。

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